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脳科学の第一人者が語る、
“脳と心に効く”教育法。
“教師あり・正解あり学習”と“教師なし・正解なし学習”。
この両輪をハイブリッドに融合させることが重要だと思う。
――茂木助教授は脳科学を専門として、今はソニーコンピュータサイエンス研究所で心と脳の関係を研究されるとともに、東京工業大学の学生に教えたり共同研究したりされています。
もともと物理学を専門としていたのに、どうして脳の方へ研究対象が移っていったのでしょう。
茂木 最初は素粒子物理学を専門としてタンパク質の物性などを研究して博士号を取得したのですが、その後、理化学研究所で脳科学の権威である伊藤正男・現東大名誉教授と出会い、触発されました。
もともと「人間が考える」ってどういうことかに興味があり、常に一番難しい問題にチャレンジしたい、という思いが昔から強くて…。
――茂木先生は「クオリア」(意識の中でとらえられる質感)をキーワードにすれば、心と脳の問題解明につながるということですが、それはどういうことなのでしょう。
茂木 最初は脳科学の中でも何を自分のライフワークとすればいいのか、2年近く模索していました。
31歳だった1994年2月のことです。ある電車に乗っていて、ガタンゴトンという連結器の音が何ともいえない質感を伴って耳に響いてきました。
その音は周波数がいくつといったやり方で解析しても全く説明できない、物理学では音の質感自体には到達できないということが分かったのです。
家に帰って2ヶ月ぐらい調べたところ、およそ意識の中で把握されるものはすべてクオリアで、これまでも論じられてきた概念でした。
他にも「赤の赤らしさ」「抜けるような青空」「バイオリンの音色」「メロンの味」などもクオリアです。
ただ、数量化できるものではないので、近代科学主義の伝統の中では無視されてきました。
しかし、脳科学の発達に伴い、クオリアを生み出す脳内機構が次第に分かってきた。人間とは何かを考える上でこれほど大切な問題はないし、生涯かけて追究するに値するテーマだと感じたわけです。
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